「節税」は経営者の義務?それとも罠?
〜“現金商売あるある”に要注意〜
「税金を減らせれば、その分会社にお金が残る」
これは、多くの経営者が一度は抱く願いです。
たしかに合法的な節税は経営の手段のひとつですが──
その“節税”が、逆にあなたの経営を苦しくしているかもしれません。
◆ 着眼点:「節税=利益の圧縮」ではないか?
節税と聞くと、年末にこう考える方も多いでしょう。
- 「ちょっと高めの備品を買っておこう」
- 「保険で経費をつくろう」
- 「あの機器、使うかわからないけどとりあえず買っちゃえ」
しかし、これらはすべてキャッシュ(現金)を使って税金を減らしている行為。
“節税”を目的にした支出は、「お金が残る経営」とは真逆の行動になりがちです。
◆ 「現金商売」あるある:手元には現金があっても…
特に飲食店や美容室、整体院などの現金商売の経営者はこんな経験、ありませんか?
- 「帳簿上は赤字だけど、現金はある」
- 「税金を払うのがバカらしいから、売上を抑えようかと思う」
- 「経費が足りないからレジから使っちゃおう」
つまり──
現金が目の前にあると、“利益の感覚”が鈍くなるんです。
その結果、
- 売上の計上を控える(脱税リスク)
- 不必要な経費をつくる(浪費)
- 「経営感覚」が育たない
という悪循環に。
◆ 節税の前に考えるべきこと
節税とは、本来“未来のための戦略的な支出”であるべきです。
「このお金の使い方は、
来年以降に利益を生むか?」
この問いを自分に投げかけるだけで、
支出に対する判断の軸が変わります。
◆ まとめ:お金を残す社長は、税金を恐れない
実は、税金を払ってもお金が残る方が、よほど経営はラクになります。
・金融機関の信用もつきやすい
・融資も受けやすい
・事業の展開スピードも速くなる
「税金を払いたくない」が口ぐせの社長よりも、
「ちゃんと利益出して、払うもんは払う。でもお金も残す」
そんな経営者が、結局は伸びています。
◆ 最後に一言
節税に振り回されるより、
未来のために“意味ある使い方”をしよう。
現金が目の前にあっても、それは「自由に使えるお金」ではありません。
ビジョン実現のために、お金を活かす経営。
それが本当の「お金を残す力」です。