なぜ私は飲食店廃業を経て、経営コンサルタントになったのか

パートナー

渋谷での飲食店経営失敗から学んだこと

10数年前、渋谷で友人と一緒に飲食店を始めました。周りからは反対されましたが、「とりあえず始めればなんとかなるだろう」なんて楽観的な気持ちでスタート。でも、ちょうど景気が悪くなり始めた時期で、現実はそんなに甘くありませんでした。

お客さんが減り、売上は低迷。従業員の給料を払うとほとんど手元に何も残らず、貯金を切り崩しながら生活する毎日。焦って友人たちにお店に来てもらうよう頼んだりしましたが、逆に常連さんが離れていくという悪循環に陥りました。

一人でどうにかしようと抱え込む中で、次第に友人との関係も悪化。そして、あっという間に廃業を迎えました。仕事も友人もお金も一気に失い、ただただ落ち込むばかりでした。

振り返ってみると、「思い」だけでは会社は動かないし、「お金」だけでもダメ。「ビジョン」だけでは机上の空論。どれか一つではなく、全部が揃って初めて事業って成り立つんだと痛感しました。

「頼ること」の大切さに気づいた瞬間

飲食店を閉めた当時、私は相談できる人がおらず、何でも一人で抱え込むのが当たり前になっていました。でも、結局、自分を支えてくれたのは仲間の存在でした。自分が内向きになり、周りを信用しなくなっていたことに気づけたのは、少し時間が経ってからでした。

経営者って、どうしても孤独になりがちなんですよね。全部自分でやらなきゃ、って思い込んでしまう。でも実際は、適切なサポートを得ること、誰かに「頼ること」でもっと早く結果を出せたり、余裕を持って経営できるようになるんだって気づきました。

香港での経験と転機

その後、香港の証券会社で働くことになり、金融商品の組成業務をしていました。仕事自体は楽しかったけれど、次第に「これで本当にいいのか?」という違和感を覚えるようになりました。

例えば、「お金を稼ぐことが最優先」という文化や、自分でも本当に役立つか疑問な商品を売る状況に葛藤を抱えていました。この経験があったからこそ、私は「自分が納得して信じられるサービスを提供したい」と強く思うようになりました。そうした想いが、今のSOILSでの取り組みの基盤になっています。

さらに、商流が長い仕事だったので、お客さんが喜んでいる姿が直接伝わってこないことにもモヤモヤを感じていました。「もっと近くで、人の役に立つ仕事をしたい」という思いが強くなり、そこから転職を決意しました。

SOILSを立ち上げた理由

こうして立ち上げたのが、今のSOILSです。飲食店経営の失敗や香港での経験を経て、「経営者が抱える課題を一緒に解決したい」という気持ちがどんどん強くなりました。会社の名前には、「経営の土壌(SOIL)を育て、成功を支える」という想いを込めています。

特に私が大切にしているのは、「教える」「やらせる」ではなく「一緒に考える」こと。経営者が自分で気づいて、納得してワクワク動けるようなサポートをすることを心がけています。

実際、あるクライアントは経営に行き詰まり、社内のネガティブな雰囲気に悩み、眠れない日々を過ごしていました。でも、半年間一緒に取り組む中で、「社員の個性を活かし、シナジーを生む経営」という視点を持つことができ、希望を見出しました。今では自信を持って新たな挑戦にワクワクしながら取り組んでいます。

最後に ~一人で悩まず、まずは頼ることから~

私は、自分の失敗経験から、「一人で抱え込むことの危うさ」を痛感しました。だからこそ、同じように悩んでいる経営者の方には、「まず誰かに頼ってみてほしい」と伝えたいです。一人で抱え込む必要なんて、全くありません。

私でなくても、税理士さん、社労士さん、商工会議所の指導員さんや先輩経営者の方など誰でも良いと思います。客観的な意見をもらうことで気づきがあるはずです。

もしお手伝いさせていただけるのであれば、私は皆さんと一緒に考え、ワクワクする成功への土台を作るパートナーとして寄り添っていきます。