月末が怖くなくなる?キャッシュフローの見える化
「毎月、月末が近づくと“資金ショートしないか”とヒヤヒヤする…」
中小企業の経営者であれば、誰しも一度は感じたことがあることでしょう。しかし、その“恐怖”の大半は「お金の流れが見えない」ことから生まれています。そこで本記事では、誰でも簡単に取り組めるキャッシュフローの可視化手法を3ステップで解説し、月末を安心して迎えるための道筋をご紹介します。
1. 見える化の必要性──なぜ「感じ」ではなく「数字」で判断すべきか
- 入金・出金のタイミングずれ
売上は計上されていても、入金は翌月末。
逆に固定費は今月末に一括支払い…
こうしたタイミングのズレを把握できないと、手元の現金残高が正確にわかりません。 - 感覚と実態のギャップ
「売上が好調だから大丈夫」という感覚だけでは、突発的な支出や支払いサイトの長期化による資金不足を見落としがちです。
→ 可視化すれば、「いつ」「いくら」が手元に残るかを前もって把握でき、不安は確実に減少します。
2. キャッシュフロー可視化の3ステップ
ステップ1:データ収集と整理
- 売上予定の一覧化
- 受注日、請求日、入金予定日を表にまとめる
- 支出予定の一覧化
- 家賃や人件費などの固定費
- 材料費や外注費などの変動費
- 入出金サイトの明記
- 「月末締め翌月20日払い」など、実際の支払い条件を記録
ステップ2:キャッシュフロー表の作成
- エクセルまたはクラウド会計ソフト
- エクセルなら「行:日付/列:入金・出金金額・残高」を設定
- クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)には、キャッシュフロー予測機能があるものも
- シミュレーションと可視化
- 期首残高+(入金-出金)の累計をグラフ化
- 「谷」(資金が一時的に減る時期)を発見し、いくつかのシナリオを比較
ステップ3:対応策の立案と実行
- 谷を埋める施策
- 支払いサイトの見直し交渉
- 売掛金の早期回収フロー構築
- 短期借入やファクタリングの検討
- 山を活用する施策
- 資金余裕期に合わせた設備投資
- 予防的メンテナンスや人材採用
3. 実践例:製造業B社のケース
- 課題
B社(年商5億円)は、毎月20日頃に一時的に現金残高がマイナスに転じ、銀行短期借入でつなぐ運用が続いていました。 - 可視化による発見
エクセル表で「月次キャッシュフロー予測」を週ごとにプロットしたところ、複数の得意先入金が翌月初旬に偏っていることが判明。 - 対応策
- 得意先と「月末締め翌月10日払い」へ条件を変更交渉
- 社内で請求書発行から回収までのフローと担当者を明確化
- 効果
- 月末の“谷”が解消し、年間借入コストを約200万円削減
- 銀行依存度が低下し、経営判断に余裕が生まれた
4. 無料で始めるキャッシュフロー可視化
- エクセルテンプレートの活用
- 「日付」「入金」「出金」「残高」を入力するだけのシンプルなフォーマット
- クラウド会計ソフトの無料プラン
- 30日間無料トライアルでキャッシュフロー予測機能を試せるものも
- 外部専門家のアドバイス
- 今すぐ自社で完結が難しい場合は、無料相談を活用し、方向性を定める
まとめ:月末は“怖い”日付ではなく、次の一手を考える合図に
- 現状をデータで把握 → 月末の資金の山・谷を見える化
- 課題を認識し、対応策を立案 → 支払いサイト交渉・回収強化・短期借入など
- 定期的に振り返り → 予実比較で予測精度を高める
これらを継続することで、月末は「資金不足の危機」ではなく、「次の投資や戦略を判断する重要なイベント」に変わります。
まずはシンプルなキャッシュフロー表を用意して、“月末が怖くなくなる”第一歩を踏み出しましょう。
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