強いリーダーほど、柔らかい!?

「強い社長」と「水のような社長」

老子の言葉に、こうあります。

上善は水のごとし
(最も善き者は、水のようである)

水は柔らかく、主張せず、器に応じて姿を変える。
そして、決して争わず、岩をも削る力を持っています。

ところで、あなたの経営スタイルは――
「水のよう」でしょうか?
それとも「岩のよう」でしょうか?


事例1:社員に任せたら、逆に動き出した社長

以前ご支援した、とある製造業の社長。
創業30年、技術力には定評があるが、若手が育たないことが課題でした。

「結局、俺が言わなきゃ誰も動かないんだよね」と語っていた社長。
現場には「指示待ち」「言われたことしかやらない」空気が漂っていました。

そこでご提案したのが、「指示を減らす」こと。
むしろ、「どう思う?」と問いかけるスタイルに変えてもらいました。

最初は不安だったそうですが、
ある若手社員が言いました。

「社長が任せてくれるようになって、やる気出ました」

数ヶ月後、その社員は新規提案を持ってくるようになり、
部署の雰囲気もガラッと変わっていました。


ギャップ:言わないほうが、伝わる?

経営者というと「決断力」「指導力」が求められるように思えます。
でも、実は「言わない勇気」「任せる柔軟さ」が、組織の可能性を引き出すこともある。

これはまさに、「水のようなあり方」。

水は、押し流さず、浸透します。
経営者もまた、社員に浸透するような関わり方ができると、
“自分ごと”として動いてくれるのです。


事例2:数字に追われていた社長の転機

別の会社では、毎月のキャッシュフローに不安を抱えていた経営者がいました。
経費を抑え、売上アップに必死になり、社員にもプレッシャーがかかっていました。

でもあるとき、視点を変えました。
「キャッシュを“流れ”で見よう」と。

すると、無理に売上を追うのではなく、
“どこに詰まりがあるか?”に着目できるようになりました。

・回収のスピード
・在庫の動き
・支払いのタイミング

まるで水の流れを見るように、
キャッシュを「流体」として扱うと、会社全体が整ってきたのです。


まとめ:「水で考える」経営のすすめ

経営には、「固める力」と「流す力」があります。
ビジョンや理念は“核”として持ちつつ、
現場には柔軟に「水のように」対応していく。

そのバランスが取れたとき、
組織はしなやかで、強いものになります。

最後に、こんな問いを。

今のあなたの経営スタイルは、「水型」ですか?それとも「岩型」ですか?